2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

笙野頼子「海底八幡宮」

『おはよう、水晶』の感想でもふれた、笙野頼子「海底八幡宮」(「すばる」2008年10月号)を再読。語り手は金毘羅。身体のなかに巻き貝を抱え、ときに頭から蛇が生える権現。この巻き貝は、横たわり丸まる姿がそっくりな、いまはなき猫の魂かと。つまりは自…

第197話「集団誘拐」

(脚本 藤森明 増村保造/監督 村山新治/出演 平泉征 佐藤博 小松方正 川口敦子 永田靖 目黒幸子)

笙野頼子『おはよう、水晶―おやすみ、水晶』

戦闘的な身辺雑記。 神話や宗教(西哲も…)の知識がないため、「おんたこ」三部作など近年の小説にはわからない部分も多々あったけど(設定の風刺自体は楽しめた)、これは読めた。観念的な私小説の体裁を取りながら、自在に文章を変転させると同時に怒り、…

『血と暴力の国』

・コーマック・マッカーシー『血と暴力の国』 映画は未見。装飾を殺ぎ落とした息の長い文章が心地よいが、難解。簡潔な表現をつみ重ね、物語も単純なのに、肝心の部分はみえないのがもどかしい。語り手は人物の心理にほとんど踏み入らず、過去を暴くことで行…

『最後の自画像(「駅路」より)』(日本映画専門ch)

脚本・向田邦子。演出・和田勉。このコンビのNHK制作ドラマというと、メヘテルハーネのテーマ音楽が印象的な『阿修羅のごとく』でしょう。向田ドラマのマイベスト。久世なんざ知らんよ、という。『最後の自画像』にも『阿修羅』の四人姉妹のうち、いしだあゆ…

ちょっとしたあれこれ・サイラーの剃り残し

・堂島ロールってほんと人気ありますよね……わたしは長蛇の列に並ぶなんてできない性分なもんで(常に先頭に立ちたいんだよ!……や、短気なだけ)、モモヤのロールケーキで充分ですわ。

『花実のない森』(日本映画専門CH)

原作は松本清張。他にいくらでもあるだろうに、このファム・ファタール物を映画化するあたりはさすが(?)大映。タイトルバックの赤い光線と、鍵穴から覗いたような女の瞳は美しいが、池野成の音楽が怪談映画じみていて笑える。脱衣場で文子さまを押し倒す…

第196話「花嫁の夫は死人」

(脚本 山浦弘靖 富本壮吉/監督 富本壮吉/出演 緑魔子 成田三樹夫 田口計今井健二) 舞台はポルトガル。アキコは婚約者のカミサカをけち臭い、仕事狂いの男とみなして嫌っていた。愛人と共謀し、結婚した後カミサカを殺して60億もの財産を奪おうと企むが、…

第195話「二億円宝石強盗」

(脚本 加瀬高之/監督 土井茂/出演 河野秋武 穂積隆信 川口恵子) イチハラは宝石店「光輪」店員。彼の幼い一人娘・カオリは小児麻痺を患っている。多額の治療費を得るため、イチハラは強盗の侵入を手引きし、分け前に預かろうとする。が、強盗・ミズタニ…

ちょっとしたあれこれ・今日は誕生日

・大台に乗ったからには、でんと構えて生きたいと思うのだけど、もう前もみえないほど低姿勢で、へいこらするのが板についてしまいまして……飼い猫にさえも踏み台にされる毎日ですよ。 ・生年月日(誕生日)データベースより。 http://www.d4.dion.ne.jp/~war…