2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧
「人生の黄昏時を迎えた」無名の孤独な婦人、ラヴィニアがいかにして莫大な遺産を手にいれたか、という話。語り手は友人のエマ夫人。ラヴィニアは二十歳頃、同じく若くて素敵な青年、マーマデュークの求婚を拒みます。理由は明らかにされませんが、若気のい…
倉橋由美子「霊魂」(『ヴァージニア』より)。心臓の奇病をわずらうMは、婚約者のKに「わたしが死んだら、わたしの霊魂をおそばにまいらせますわ」と約束します。死期を間近にひかえて錯乱したためでなく、真剣に穏やかに、霊魂の行く道や本性、生前の食事が…
語り手の「私」は女小説家。輔祭である夫とともに三年間、某教会の司祭館(教会職員用の「社宅」)に住んでいました。そこでは「社長」にあたる府主教座下から神学生まで、大勢が共同生活をしており、みな聖職者ながら上司に媚びるため、他人のゴミを漁ってで…