第196話「花嫁の夫は死人」

(脚本 山浦弘靖 富本壮吉/監督 富本壮吉/出演 緑魔子 成田三樹夫 田口計今井健二
舞台はポルトガル。アキコは婚約者のカミサカをけち臭い、仕事狂いの男とみなして嫌っていた。愛人と共謀し、結婚した後カミサカを殺して60億もの財産を奪おうと企むが、事前にばれてしまう。アキコたちは古城にて、カミサカを殺害。彼を追ってきた小森さんも口封じのため、頭を石で五、六発殴りつけて失神させ、城壁から投げ捨ててしまう
アキコたちは、カミサカの死体を担いでホテルに戻った後も、彼が生きているようにふるまい、晩餐会、結婚式、入籍を無事に済ませる。だが、今度はカミサカの部下に真相を知られ、遺産の三分の一をくれと脅されたため、海で溺死させる。一方、高倉キャップたちは、奇跡的に一命をとりとめた小森さんから話を聞き、二人の行方を追う。アキコたちは、カミサカとその部下を一緒に棺に入れ、急いで埋葬しようとするが……てな話。

・冒頭、または至る所で緑魔子成田三樹夫が抱きあい、深々とくちづけする。それでも生々しさとは縁遠い、血の赤みより肌の青白さが際だつ、とびきりの人造美女・美男でお似あいだなと。隠ぺい工作に神経をすり減らし、泣き叫び、悩ましげに睫毛を伏せる魔子さんほど、黒衣の花嫁姿が似あう日本人女優は居ない、などと勝手に断言しておきます。
・高倉キャップたちがヨーロッパに来たわけは、なんでも世界26カ国から500人以上のガードマンが集まる、「国際警備連盟」の会議に参加するためだそうで……みんなで強奪された金の被害総額を自慢する場でしょうか。謎。