第195話「二億円宝石強盗」

(脚本 加瀬高之/監督 土井茂/出演 河野秋武 穂積隆信 川口恵子)
イチハラは宝石店「光輪」店員。彼の幼い一人娘・カオリは小児麻痺を患っている。多額の治療費を得るため、イチハラは強盗の侵入を手引きし、分け前に預かろうとする。が、強盗・ミズタニと仲間割れし、彼を殴り倒すと車に火を放ち、海中に沈める。
娘の手術は成功。イチハラは喜んだのも束の間、新聞でミズタニが生きのびたことを知る。ミズタニは、刑事から共犯者の有無を問われても口を割らず、復讐の機会をうかがう。
十三年後。イチハラは亡き妻の旧姓・ナカザトに名を変え、裕福な実業家となった。娘のカオリはアイススケーターとなり、選手権に勝つため富士急ハイランドで特訓していた。そこへ出所したミズタニが現れ、親子を執拗に脅す。香水の壜に硫酸を入れる、スケート靴のエッジのビスを外すなどの嫌がらせに止まらず、カオリをくれと迫る。
高倉キャップたちは、13年前の事件との関連を疑い、ナカザト親子を救おうとするが……てな話。

娘を愛するあまり、罪を犯した父親が強盗を殺し、みずから悪夢を絶つ。十三年もかけたとはいえ、潔い幕の引き方。また、娘が選手権で勝利したか結果を明かさず、笑顔で氷上を滑る場面で終わるのも、ご都合主義的ではない、それでも解放感ある希望をもたせた良いラストだと思いました。