第288話「女子高校生スキャンダル殺人」

・主人公の女子高校生(女子高生、じゃないのね)がちんぴら大学生どもに対していわく、事件の真相暴くのを手伝ってくれたらお金は幾らでもあげる、私の身体も欲しけりゃやるわ! って。そのエキセントリックな愚直さ、気性の激しさ、恋の為なら家族も死刑台に送ることを厭わない行動力が、なんとも増村ヒロインちっく。といって増村脚本ではないけど。
・女子高校生の父母、長髪ちんぴら学生カニエとその仲間、髭生やし厳つい顔した割に軽薄な調子で喋る駄目兄貴にレンジ、杉井君といった素敵な面子が名家の一室で裏を掻きあう。金銭、名誉欲がぎとぎとで暑苦しいです。山浦脚本ではない為、いつもの説教がましいシメの科白がないのが好感持てる。ただ「幼い恋」と爽やかに評しても、肝心の主人公が女子高校生にトテモ見えない化粧厚さが難。
・話変えて。山浦脚本といえば『怪奇大作戦』の「狂鬼人間」、かどうかは知らない。
放送禁止・ソフト化も躊躇われるこのイワクつきの作品、実際に見たら全然大したことない。山浦脚本らしい実に凡庸な出来。シメのお説教がいつもながら空々しく響く。
同じく狂気を主題とする、ガードマン第271話「怪談・雨の幽霊病院」も「気違い」連発で危うい、かと思いきや、ファミ劇でちょっと前に放送していた。音消しし切れてなかったけど。こちらは院長の娘が患者たちのため、綺麗で過ごしやすい病院を作ると決意する、清々しい結末を迎える。杉井君の笑顔も、雨・病・血腥い犯罪のせいで溜まった憂鬱を吹き飛ばすに相応しい。ちなみに。森さんのファンではあるけど、「狂鬼」のチト居た堪れなくなるような恥ずかしい演技より、浜村純の方が真に迫っていて(?)凄みがある。ギョロ眼対決やね。