『高木彬光の刺青殺人事件 天才神津恭介の推理 浴室から女体が消える』

現在スカパーで「探偵神津恭介の殺人推理」シリーズ放送中。
『刺青殺人事件』は高木彬光のデビュー作にして「日本の三大名探偵」のひとり、神津恭介が初登場した作品としても名高い。
有名な彫師が実の子ども、息子と双子の娘たちにそれぞれ三すくみの刺青を彫った。蛙、蛇、なめくじを彫られた三人が会うと必ず凶事がある。その言い伝えどおり、娘の伴侶をもふくめた連続殺人事件が起こる。数学の天才、神津恭介は幻覚症状に悩まされつつ捜査に乗りだす……てな話。
この「土曜ワイド劇場」版では血糊ゆたかで裸も沢山。特に高田美和の浴室で切断された首と、カルーセル麻紀が「時には娼婦のように」を歌いつつ魅せる、肩幅張ったなめらかな裸体が目に焼きつきました。謎解きには何ら関係ないヌードダンスショーも、昔の土ワイらしい悪趣味なハッタリが効いていて良かったです。
神津が謎解きをしている最中、急にうなだれて妹に介抱されたり、犯人に「幻覚でもみたんじゃないのか」と嘲笑される場面も良かった。天知版明智の不死身超人ぶりを見なれた目には、病弱な名探偵というのはなかなか新鮮。肝心なときにおつむが薄ぼんやりして、倒れられでもしたら困りものですけど。
ちなみに神津の妹について。一作目では叶和貴子が演じており、恋人の裏切りも笑って許す、しとやかで無口な和服美人でした。が、二作目『影なき女 密室で真犯人を……』では飯干恵子に変更、口やかましお転婆娘になってしまったのには、驚くと同時に少々がっかりしました。といっても、大映スターだった高田美和が堂々と胸やお尻をさらし、清純派の威光をかなぐりすてたほどの衝撃ではないですが。

探偵神津恭介の殺人推理1~刺青殺人事件~ [DVD]

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