皇子

安住紳一郎アナが4連覇〜第4回好きな男性アナウンサーランキング〜
安住アナには微塵も興味がないのでおいといて。
なぜNHKの野村正育アナウンサーが入っていないのか。欺瞞だ。

わたしは野村正育アナ、育サマがNHK-BSに居たころからのヌルいファンで、気が向けば見つめ倒すことにしています。声も容姿も、その尊大な名前どおりに育ちきっていて素晴らしい。「正統派」「王道」とは彼のためにある賛辞なのでしょう。
例の「年金テロ」などとまことしやかに吹聴された事件の容疑者が捕まった際、育サマが速報を読みあげていたのだけど、まだろくな情報がないためかひたすら「犯人は身長160センチ」と連呼していて、容疑者の身長を知ってどうしろと? と疑問を燻らせると同時に、「そんなことより育サマの身長を教えてほしいよ……」と愚痴り続けたものでした。

育サマにまつわる三つの思い出。
一つ目。育サマが一時期関西のニュース番組を担当していたころ、詳細は忘れたけど家族の話か何かをVTRで伝えていて、それが終わると皇族もかくやというような清く貴い笑顔を浮かべて、
「ぼくも妻帯者やからね」
と唐突に関西弁で応えたことに驚きました。
そこには関西弁をフランクに使うことで庶民の地平に降りようとするような、浮世離れした響きがありました。そして「ぼくも結婚してますからね」じゃなしに「妻帯者」などという、日常会話ではめったに聞かない言葉をあっけらかんと言いはなつ育サマって素敵、とうっとりすると同時に目が点になったものでした。

二つ目。これは昼のトーク番組(もちろんNHKの)に出たときの話。
アナウンサーをゲストに呼んでその素顔に迫る、というまことにどーでもよい企画だったのだけれど、育サマが色々と質問に応えるうちに、なぜかバレンタインデーのチョコの数が話題となり、司会のアナウンサー(育サマとあまり歳の変わらない男)が、「野村さんは一杯チョコをもらってましたよね!」と暴露するのはよいのですが、どうにも笑顔が引き攣っていました。またそれを育サマは「いやあ……」と大した返事もせず、穏やかにほほえむばかりで、わたしがさんまなら「否定せえよ」と突っ込むところですが、育サマなら、皇族以上の皇室スマイルで自然に受け流してくれることでしょう。

三つ目。数年前のクリスマス。五分間ニュースに出てきたとき、育サマはトナカイ模様のネクタイを身につけていて(樅の木だったかも……)、意表をつかれました。堅苦しい印象を持たれがちなNHKの男性アナウンサーがこんな、乙女のように洒落めかして……と蕩けると同時に「このひとはモノホンだ」と膝を打ちました。民放のバラエティー番組で男性アナが滑稽な扮装をして登場するのとはまるで意味あいの違うモノホンの装い。いやもう雛壇に飾りたい。
アナウンスルーム NHKアナウンサー 野村正育