第341話「ヌードの悪女 華やかな私生活」

(脚本 池田悦子/監督 井上昭/挿入歌 飯島あけみ「美わしの琉球」/出演 渥美マリ 酒井修 江夏夕子 南原宏治 原泉 田口計 藤木孝 木村元)
 舞台は返還前年の沖縄。化粧品会社プロデューサー・アズマ、カメラマンのオオセ、助手のヌマタらがCMポスターの撮影をしていると、老巫女(ノロ)が邪魔に入る。「よそものはこの土地から出てゆけ」「破滅するぞ」などと脅すが誰にも相手されず、直後何者かに崖下へ突き落とされる。沿岸警備をしていた荒木、小森さんらが老巫女の死体を発見、手には黒真珠のネクタイピンを握りしめていた。
 一方、撮影隊の前に現れた美女、島の娘ミチも黒真珠の指輪をはめていた。オオセたちはその神秘的な美貌に魅了され、専属のケイコをクビにし、ミチをモデルにしようと口説く。当然ケイコは激怒、ミチとその親族も「ノロになるから」と一蹴する。それでもオオセたちはあきらめきれずミチを誘惑、豹柄の水着を着せ、万座ビーチで写真撮影する最中、助手のヌマタがハブに噛まれて死ぬ。用意していた血清も壊されていた。エイコはミチがヌマタを殺したと騒ぐ。「あの女がハブだわ」「みんなノロの呪いにかかって死ぬのよ」
 エイサーを踊った後、ミチは海岸に寝そべる。その身体にオオセがサンオイルを塗りつけていると突然、「大自然とひとつになるんだ」などとほざき、黒ビキニを脱がそうとする。アズマに助けられたミチは、二人きりになると「ノロになりたくない」「一緒に逃げて」と懇願、進んで抱擁しあう。
 万座ビーチにて最後の撮影。水中遊泳するミチをオオセが撮影中、アクアラングを装着した男たちに刺殺される。エイコはアズマに黒真珠の指輪を見せ、その持ち主であるミチとネクタイピンを落とした男にオオセたちは殺されたのだ、と訴える。が、アズマのミチに対する信頼は厚く、ともに日本へ行くと決意。二人で逃げようとするが、ミチが不意に薄笑いを浮かべ、恋人に銃を突きつける。指輪を見たからには殺す、と――ミチは、宝石の密輸組織の一味だった。黒真珠は組織のシンボル、ネクタイピンを落としたのは仲間の男。ミチたちはノロや島民に変装して撮影隊に近づき、写真のフィルム缶にダイヤを詰め、税関の監視を逃れて日本に持ちこもうと企んだのだ。真相を知ったアズマは、隙を突いて兇器を奪い、断崖に追いつめる。ミチが涙ながらに愛を告白、許しを乞うと、彼は銃を海に捨てる。「きみ一人を死なせはしない」
 ミチの親族に化け、オオセたちを殺したギャングどもの追手を逃れ、二人は再び海岸へ。東京へ行き幸せになろうと誓いあう。が、そこへ死んだはずの老巫女が立ちはだかる。血のこびりついた櫂を振り回し、二人に襲いかかる。偽老巫女の正体は、ゴムマスクをしたエイコだった。モデルをクビにされた腹いせに密輸組織に鞍がえした、と説明する脇から二人のギャングが現れ、ミチたちを殺そうとする。と、唐突に荒木と小森さんが飛びだし、ギャングたちを取り押さえる。エイコは実は、ガードマン側の協力者だったのだ。
 エイコはミチも悪党だと罵る。急所をつかれ、ショックを受けたミチは、アズマから離れて岩場へ逃げる。そのときギャングがガードマンの制止を振り切り、投げたナイフがミチの背に突き刺さる。エイコが涙し、アズマが絶叫する中、ミチは夢叶わず帰らぬ人となった……てな話。

扇情的なタイトルですが、渥美マリのヌードは拝めず。せっかく南原宏治演じる変態カメラマンが黒ビキニを脱がそうとしたのに。「邪魔すんじゃねーよ!」と酒井修に無益な殺意を覚えた方も多いことでしょう。ちなみに「軟体動物シリーズ」での共演が印象的だった、川津祐介との絡みも全然ナシ。