第336話「セクシー娘・お色気捕物帖」

(脚本 山浦弘靖/監督 中西忠三/出演 江夏夕子 財津一郎 毒蝮三太夫 佐藤蛾次郎 根岸明美 立原博 石井富子/ナレーター 城達也)
 4人のギャングが銀行を強襲、小森さんが撃たれて重傷を負う。現金一億を持って逃走する際、ギャングのひとり、フーテンのトウドウも手に怪我をする。
事件を知った「中央放送」のカワイコちゃん、ドライブアナウンサーのマサミは、荒木に取材を試みるものの、にべもなく断られて御冠に。生意気なガードマンのハナをあかすため、先に強盗を捕まえてやるう! と相棒のケイスケが咎めるのも無視してハリキリ、ギャランのラジオカーを走らせる。
 ギャングどもは案の定仲間割れ、トウドウが大金を持ち逃げするが、車が故障。恋人のマユミに待ちあわせ場所を伝えた後、ガソリンスタンドに着くとマサミが待っていた。「おめでとうございます! あなたは10万代目のお客様です!」ラジオの実況生放送であるためトウドウの手の怪我、アタッシュケースを抱えているなどと要らんことまで事細かに解説、それを聞いた荒木が不審に思い駆けつける。が、トウドウはケイスケを気絶させ、マサミを銃で脅して既に逃げた後だった。
 ラジオ時代の「売れっ子司会者」毒蝮三太夫とマサミの会話から、荒木は、犯人の乗った車が警察の非常線を突破したと勘づく。毒蝮の番組を介してラジオカーの居所を聞きだし、ファンになりすましてマサミたちに接近・トウドウの正体を暴くと取っ組みあいに。辛うじて打ち勝つが、トウドウの恋人マユミに銃を突きつけられ、再び形勢不利に。トウドウたちは荒木とマサミを殺して海に沈めるべく海岸へ。荒木の機転で金を奪い返すも、再びギャングに行く手を阻まれる。ガードマンから事情を聞き知った毒蝮は、全ラジオカーを海岸に召集、高倉キャップたちも駆けつけ、ギャングを一網打尽に。
 一方、荒木とマサミが金を守るためラジオカーで逃げる途中、リスナーに助けを求める。と、ラジオを聞いていたマサミファンのタクシードライバー蕎麦屋の兄ちゃん、土方のあらくれものたちがこぞってトウドウたちを包囲、キャップたちも到着し事件解決。毒蝮の番組も大成功、荒木とマサミも和解、マサミとケイスケは結婚へ、と万万歳の結末となった……てな話。

PYG「自由に歩いて愛して」に乗せ、紅白ギャランがわらわらとやって来るところで爆笑。一般市民をも巻きこむ暴虐カーチェイスを描いた映画『暴走パニック 大激突』(1976年)の先取りと考えると凄いが、それにしたって曲と画のミスマッチ感が絶妙。
PYGの他、鶴田浩二(曲名知らず)、飯島あけみ「美わしの琉球」、藤巻潤「恋のグアム島」などを架空のラジオ番組で流していたが、藤巻潤の歌が二度かかっていた。それだけリクエスト件数が多かったってことだね、と補完。
毒蝮三太夫が本人役で登場。第11話「現金輸送車襲撃」、第35話「姿なき眼」(いずれも1965年)にも出ているが当然、地味な脇役。今回のめざましい活躍は、凱旋といえるのでは、と。
・万万歳の結末、ではあるがしかし……小森さん……無事かどうか一目、見せて欲しかったんスけどねえ……。