第313話「素晴らしきハワイ!恋とビキニと殺人」

(脚本 加瀬高之/監督 崎山周/出演 ジェリー藤尾 河野秋武 稲野和子 川辺久造 水原麻紀/協力 ハワイ州観光局 佐藤一男 米国商務省観光局 パンアメリカン航空)
 「般若の松五郎」こと、ヤブキリュウジは人気やくざスター。彼は映画やテレビの過密スケジュールを厭い、所属事務所の女社長の反対を押し切り、気晴らしにハワイへ旅行することに。
 お供に高倉キャップを連れ、マウイ島で波乗りするなど休暇を満喫していたが、ナンパしようと声をかけた女性の正体に仰天する。彼女は、リュウジをはるばるハワイまで追いかけて来た、同じ事務所の女優ルミだった。ルミはリュウジの子を妊娠しているといい、結婚してとせがむ。が、「誰の子か判らない」とリュウジが突っ撥ねると「殺してやる」と逆上。
 困惑するリュウジに、元やくざの興行師オガタが相談に乗ろうとする。「そのかわり自分をマネージャーにしろ」と厄介な条件をつけて。一方、ルミは「別れるから一目会いたい」とリュウジを電話で呼び出し、アイスピックをしのばせ約束の場所へ向かおうとしたところ、何者かにネクタイで絞め殺される。パスポート写真から、ネクタイはリュウジのものと判明、警察は彼を疑う。
 リュウジはキャップに助けを求め、ふたりで真犯人を捜す破目に。地元民に変装して逃亡するが、スター気取りでわがまななリュウジはキャップに「食い物見つけてこい」などと難題ばかりふっかける。キャップは東京パトロール社本部に連絡、応援を請う。荒木と杉井君が女社長とともに至急、ハワイに駆けつける。
 ふとリュウジは、ルミを待っているところを日本人観光客で「自動車のセールスマン」、マエカワに写真撮影されたことを思い出す。彼の無実を晴らすべく、キャップが「マウイヒルトン」へマエカワを訪ねるが、彼は頑として写真を渡さない。が、オガタには、ルミと口論している写真を100万で買えと脅迫。
 ふたりを怪しむキャップがあとをつけるが、逆に襲われて意識を失い、船から海中に突き落とされる。幸い岸に漂着、何者かに肩を叩かれ、一本背負いをキメると相手は一回転してみごと着地、誰かと思えば、さわやかに微笑む荒木だった。女社長はリュウジが行方不明と知り、キャップたちに賠償請求云々と叱る。当のリュウジは「コナヒルトン」からオガタに連れ去られ、ハワイ島へ。キャップたちは二手に分かれ、レンタカーで島じゅうを捜すことに。
 海岸。オガタはアリバイの証明写真をちらつかせ、マネージャーにしろとリュウジに迫るが、キャップたちに発見され乱闘。その最中、女社長がいきなり拳銃を取り出し、ふたりに発砲。驚くリュウジにまで銃口を向ける。彼女は「プロダクション再建のため」「一億円の生命保険金」欲しさにリュウジを殺し、それをルミ殺害を気に病み自殺したように見せかけようと企んだのだ。キャップは左肩を撃たれ、リュウジとともに崖にへばりつく。それを見た女社長は「鮫の餌食になるといいわ!」と吐き棄て、ハンドバッグを振り回し、軽快にスキップして立ち去る
 絶望するリュウジにキャップは腕を貸し「あきらめるな!」「般若の松だろ!」と激励、リュウジも奮起する。荒木たちにロープで引き上げてもらい、ふたりは窮地を脱出。四人は女社長を捕まえようとするが、銃を構えたマエカワが現れ、形勢逆転。自動車のセールスマンというのはひとを欺く姿、彼の正体は生保の勧誘員、かつ女社長の恋人でルミ殺しの真犯人であった。ふたりの銃弾に荒木が倒れるが、リュウジは怯まず木枝を振り回して応戦、遂にマエカワを倒すが……てな話。
※書きそびれていた話のあらすじ・感想をひとつ。
・キャストが第300話「ひとりぼっちの坊やハワイ珍道中」とモロかぶり。海外ロケでは見慣れた光景。川辺氏だけは双方とも、悪役であることは言うまでもない。
・キャップの引き締まっているとは少々言い難い肉体、素肌にネックレス、腕輪、真っ赤な海パン、アロハシャツ姿がまぶしいっす。