第133話「五十万人の中の誘拐」

(脚本 石松愛弘/監督 土井茂/出演 加藤和夫 嘉手納清美 北原義郎 島田順司 早川雄三 佐々木孝丸)
「東都大学宇宙科学研究所」の助教授、テラオ博士が液体燃料の研究をするため、アメリカ行きを決める。そこへ国際スパイ団から脅迫状が届く。ガードマンたちは博士の警護につくことに。
博士は渡米前に故郷の徳島へ帰り、一人娘のカオルに会いたいと言う。カオルには婚約者のツガワがおり、結婚式を間近に控えていたが、博士は立ち会えないと言う。カオルは不機嫌をあらわにする。
徳島は現在、阿波踊りの真っ最中。その混乱に乗じていつ狙われるか油断できない。「えらいガードを引き受けたもんだ」と愚痴る高倉キャップ。カオルに誘われて博士も列に加わるが、そこへ女の着物を着た怪しげな集団が。博士を囲んで気絶させ、そのまま港へ拉致、貨物船に連れこもうとする。
が、悪党一味に変装した榊さん、荒木、杉井君の活躍により、博士を無事救出。
翌日、博士はテレビ番組に出るため、四国放送の迎えの車に乗り込むがまた誘拐される。首尾よく計画が運んだことを喜ぶスパイ団のボス。だが、テレビをつけると博士の姿が。一方、鳴門海峡を渡りボートで連行される途中、博士が悪党のひとりを海に突き落とし、もうひとりから拳銃を奪う。ボートに乗っているのは実は、博士に変装したキャップだったのだ(天知茂演ずる明智小五郎シリーズでもおなじみ、精巧なゴムマスク使用)。
ガードマンの機転の利いた策を褒め、一安心する博士。だがそこへ傷ついた婚約者が現れ、カオルが誘拐されたと言う。榊さんと杉井君の尾行によってスパイ団のアジトを発見できたものの、既に逃げたあとだった。置き手紙からキャップは、内部に手引きしているものが居る、ツガワが通報したのではないかと疑う。
犯人側は博士とツガワだけ指定の場所に来いと要求。キャップは博士に、ひそかに無線発信装置を持たせる。キャップの推理通り、ツガワはスパイ団の一味だった。その事実を知るカオルは、博士を連れて眉山へと逃げる。そして一緒にアメリカに行きたいと訴える。彼女もまた、研究に没頭し妻子を捨てた父親憎さから、スパイ団に協力していたのだ……てな話。

映画『眉山』好きは必見(嘘)
博士に変装したキャップ、体型からしてちょっと違うのでは……とか野暮は言いますまい。
・コスプレ、変装、無線発信装置を入れたマルボロなどギミックが楽しい回。
・荒木の帽子、今流行の中折れハットってやつでしょうか。第107話『古墳の呪い』の宮崎でも被っていたけど。出張モードか、はたまた旅行満喫浮かれ気分か。