第130話「結婚サギ師の多忙な生活」

(脚本 尾崎悠/監督 宮下泰彦/出演 入川保則 中原早苗 山東昭子)
榊さんと吉田さんが警備するマンションで女性が転落死。彼女は一流メーカー企業の模範BGだったが、会社の金を500万も使いこんでいた。質素な暮らしをしていた彼女がなぜ、そんな大金を使いこむ必要があったのか?
警察は、遺書があるため自殺と断定するが、榊さんは転落する瞬間の彼女の悲痛な叫び声、あれは自殺者のものではないと疑問を抱く。現場近くでイニシャル入りの鞄を発見、同マンションの住人イシヤマが怪しいと睨む。
イシヤマは結婚詐欺の常習犯だった。彼は次の獲物として、田舎娘で800万の財産をもつフジサワアキコに狙いをつける。「日本一の実業家を目指す青年」に化け、言葉巧みにアキコを篭絡し、婚約まで漕ぎ着ける。そして凶行の目撃者である未亡人の部屋に乗りこみ、浴室での転倒事故に見せかけて殺害する。
小森さんの調査により、イシヤマ兄妹は偽者と判明。それでも計画は着々と進み、イシヤマはアキコから800万をまんまとせしめる。喜ぶ兄妹(正体は腐れ縁の恋人同士)。だが金庫を見ると金がない。二人は互いを疑い、喧嘩になる。そのときアキコが部屋に現れ……てな話。

・化粧っけなしの早苗、ミニスカワンピを着て「脚に自信がないの」と謙虚に呟く。いつもの傲慢さは欠片もない。でも実際、脚がごん太い。
・捕まっても反省するどころか、「騙される女が悪い」と能書きを垂れる詐欺師に対し、フェミニスト(女びいき)の榊さんの鉄拳が飛ぶ。「騙されるから女なんだ、傷つくから女なんだ!」……好みの女性観がいかにも古風で、時代ですなあ、と。