第292話「女の復讐は口笛にのって」

「女賭博師」シリーズのポスターと凶器はこけしってくらいしか特に見どころもない、第291話「バクチで稼ごう!団地奥さん」と比べると断然面白い。
団地物にはほとんど出て来ない荒木だが、野外を駆け回っている方が似合うので問題ない。口笛でじわじわ脅迫するというネタは、第65話「口笛を吹く悪魔」と同じ。女の復讐、という題名が恒例のどんでん返しを暗示する。
戸浦六宏今井健二、早川保、木村元、そして一見おしとやかだがその実腹黒な美女・磯村みどりと(ガードマン的には)豪華な配役。対するは荒木と足手まとい、もといまた足を撃たれてヒイヒイ言ってる小森さんの危うさ満杯コンビ。北海道での現金輸送を無事終えて早々、今度は「富士が見える別荘地」伊豆エメラルドタウンの警備を任されている。避暑シーズンじゃないから誰も居ないし、平和で退屈ですわハハー、とかなんとか言って調子こいていたら案の定、三億六千万相当の宝石をめぐる確執に巻きこまれる。最終的に悪党どもは自滅してしまうが、任務が宝石・要人警護じゃなくてほんとよかったね、と……結局誰も庇えず右往左往してただけだもんなあ。