第201話「怪談・すすり泣くわら人形」

(脚本 加瀬高之 佐藤肇/監督 佐藤肇/出演 楠侑子 戸浦六宏 室田日出男 夏純子)
カゲヤマはお抱えの祈祷師が「この屋敷は呪われている」「悪魔憑きが居る」などと語るのを信じ、戦々恐々としていた。養女カヨが墓地で藁人形に釘を打っている、自分を呪い殺そうとしていると疑い、悪魔払いと称して鞭打つ。憐れなカヨは地下室で首をくくり死んでしまう。その後カゲヤマは、雨に濡れたカヨの幽霊に何度もおびやかされる。ガードマンの荒木は、カゲヤマ家の財産を狙う者たちによる、迷信を利用した犯罪と見抜き、ある奇策に打ってでるが……てな話。

佐藤肇は、和製ホラーの秀作『吸血鬼ゴケミドロ』(1968)の監督として有名。燃える夕焼け空を飛ぶジェット機の窓に、鳥が次々衝突し死んでゆく不吉なオープニングが印象的でした。この201話でも窓ガラスを破って鴉が部屋に侵入、寝台に血まみれの死骸が転がるという、自作を踏まえたと思しいショック演出が楽しめます。他にも、鴉の鳴き声が響く竹林の墓場、土砂崩れを起こすほどの豪雨、藁人形、棺桶、鈴の音、祈祷師の老婆、地下室での拷問など、魅惑的な道具立てでお腹いっぱい。でもラスト、荒木が幽霊に変装して犯人を脅し、罪を告白させたのはいいとして、芝居があまりに真に迫っていたために犯人が「本当に悪魔に魅入られて」(発狂して)しまうのには、思わず失笑しちまいました。ちなみに。戸浦にいじめられて縊死し、化けて出る養女に夏純子。美人なのに頬に痣のある幽霊役とはちょっと気の毒。