第296話「走れ蒸気機関車!恐怖の逃亡者」

タフガイと呼ばれた男・清水、明らかな任務失敗。といっても依頼主も死んでしまったし、まあいい……のか? 扱ってる事件が一民間企業の領分を遥かに超えているから、仕方ないかもしれないが。大体、両陣営のスパイ組織から狙われている平泉征を北海道の実家に連れ帰ったところでどうなるもんでもない、親族恋人もろとも無事じゃ済まないことは判りきったこと。応援は必要ない、ぼくひとりでやれますじゃないでしょ、と。でも依頼主の最後の願いを叶えてやれただけでもよしとするか……(それでも案の定、「ふるさと」に裏切られるわけだが。277話「銀行ギャングのふるさとは墓場」のラスト、荒木の感慨を想起させる。意表をつく裏切り、どんでん返しな結末上等なガードマン世界において「ふるさとはない」)。
「走れ蒸気機関車!」って題名のわりに、アクションの舞台になるのは中盤だけ。あとは全日空に車にセスナに小船と盛りだくさん。セスナからの銃撃に清水が逃げ回る場面は『北北西に進路を取れ』『ロシアより愛をこめて』に倣ったのだかどうだか。 
ちなみにこの機関車、290話「荒野の大列車襲撃」の「キュウロク」と同じだけれど、ヒゲの機関士の姿は見えず。